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週一更新を目指す映画感想ブログ。
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☆・・・二度とみたくない。

2016年8月21日日曜日

もののけ姫


 
このポイズンな世の中を美しく「生きぬく」ための映画

公開 1997年
監督 宮崎駿
脚本 宮崎駿
制作 鈴木敏夫
音楽 久石譲
声の出演 アシタカ(松田洋治)
サン(石田ゆり子)
エボシ御前(田中裕子)
ジコ坊(小林薫)
モロの君(美輪明宏)
☆☆☆☆☆



〇あらすじ〇
 エミシの一族の青年、アシタカ。ひっそりと平和を謳歌する村に「タタリ神」とよばれる怪物が現れた。アシタカの弓によってとどめを刺されたタタリ神は、アシタカに恨みの言葉と呪いを残して死んだ。やがて命を落とすと予言されたタタリ神の呪いをとくため、西へと向かうアシタカ。
 道中の山の中で、アシタカは巨大な山犬と行動を共にする不思議な少女と出会った―――。

〇いきなり感想〇
 食い入るように見てしまう・・・。
 子供のころから何度も金曜ロードショーでやってたんですけど、最初から最後まで
じっくり見たのはこれが初めてかも。面白かった。
 これはトトロとか魔女の宅急便なんかの他のジブリ作品とは全く空気が違います。
 腕がもげます。化け物が出ます。頭も吹き飛びます。血もたくさん出ます。人がたくさん死にます。
 「正義」と「悪」では片づけられません。けっこう年をとってから見ないとナニコレで終わってしまうかも。私がそうだった。
 あと、外国人はこの作品見て理解できるかなとは思いました。日本だと「やべぇ奴は神」みたいなとこあるので、すんなり入ってくるかもしれませんが、
神様は天にいるGodただ一人 みたいな宗教の人に「タタリ神」「シシ神」とか言ってもわかるのかな、と。

〇好きなキャラ〇
 第一位はモロの君ですかね。


 人語を解する巨大な山犬。二頭の子供と、人間である【もののけ姫】サンとともにシシ神の森で暮らす気高い山犬です。
 超 カ ッ コ イ イ です。声は美和明宏氏。
 好きなシーンっていうか台詞が3つくらいあるんですけどね。有名な「黙れ小僧ッ!」のシーンとサンとお別れのシーンとタタリ神になった乙事主に詰め寄るシーンと、まあ喋ってるシーン全般ですが。
 有名な「黙れ小僧」のシーンだけ解説しますとね、アシタカがサンを助け、サンに助けられてなんやかんやモロのすみかまで連れてこられて、サンを人間の世界に戻してやれって訴えるシーンなんですけどね。

アシタカ:「あの子(サン)を解き放てっあの子は人間だぞ!」
モロ:「黙れ小僧お前にあの不幸が癒せるのか?を侵した人間が、が牙を逃れるために投げてよこした赤子がサンだ!人間にもなれず、山にもなりきれぬ、哀れで醜い、かわいいお前にサンを救えるか!?

 モロのサンへの愛が随所に出てきてこの親子大好き・・・。絶対本編見ておくれ・・・。

二位はエボシ御前ですかね。
 タタラ場集落をまとめあげるハンサム(女)です。この人はモロたち森の生き物からしたら、森を開拓しようとしてくる敵。現にサンたちも一族の恨みだか何だかでエボシの首を狙っています。
 彼女には彼女の考えがありまして、製鉄を生業としてるタタラ集落ではどうしても森を切り開いて
材料をとってこなくちゃいけないんですね。自分の治める村を守るため彼女は男どもを従えて自ら銃を持ち戦うんです。ハ、ハンサムウーマン・・・。
 しかもこの人敵から見れば大砲ぶっぱなしてくるわ頭いいわでめちゃくちゃ怖いんですが、タタラ場では女にも大事な仕事を与え、時には砦の守りや銃の扱いも任せて超慕われている良き領主なんです。
 さらに秘密の庭に体が不自由な(作中では言及されていないけど、ハンセン病患者とのこと)現実
では差別にあっていたであろう人たちにも同様に仕事を与える、出来た人物なんです。
 「エボシ様は俺らのことも人間扱いしてくれる」というなかなかインパクトある台詞(うろ覚え)が出てくるんですが、エボシ御前は利用できる者はとことん利用し、同時に報酬を与えて共存する、ご恩と奉公・ギブアンドテイクのビジネスマンって感じで人間サイドのヒーローなんです。
 エボシ様を見てると「大事にする」「平等」っていうのは「大切に隠しておく」「特別扱いする」こととはまた違って、
「少しでも長く、そばに一緒にある」ことだと思うんです。人もモノも。平等に。だから女も障害者も働かせる。本人たちもそれを望んでるから。
 よくできたヒトです。お顔も美人。

他にもサンやタタラ踏みのリーダートキなど、女がカッコイイ映画です。

〇好きなシーン〇
 多すぎてめんどくさいので思いついたとこを羅列↓↓

・仔山犬たちが意外とサンに甘えんぼなところ
・人間嫌いの山犬がアシタカを背にのせるところ
・タタラの砦でのサンVSエボシ様
・モロ一族と乙事主一族の邂逅と共闘(噂程度ですがモロの君と乙事主は昔良い中だったという情報が・・・。乙事主と軽口叩いてるシーンも見方がかわりますな。)
・正面から見たシシ神様の顔の気味悪さ(カモシカ的骨格のくせに目が前についてて、しかも人面よりってめちゃくちゃ不気味じゃありません?神だからこそなのかもしれませんが)
・コダマたちがアシタカの真似っ子して仲間をおんぶしてるとこ
・ニンゲン・・・タベル・・・ オレタチ・・・ ニンゲンノ チカラ・・・モラウ・・・
・健気で賞 堂々1位   ヤックル
・モロの君が喋ってるシーン全般
・クレジットに「モロ」と呼び捨てでなく「モロの君 美和明宏」って表示されたところ
・久石譲の音楽
・背景が美しすぎる。屋久島がモチーフではないかと言われてます
・米良美一によるED。歌詞が短いのも味があってGood

・二年に一回くらい見たくなるよね

〇まとめ〇
 キャッチコピーが「生きろ。」一言だったのはちょっと有名ですかね。森を拓こうとする人間たち、森を守る生き物、傍観するシシ神、人間と戦う人間、森とヒトの間にいるアシタカ。さまざまな立場のキャラクターが登場し思い思いに生きて悩んでます。
 どうしても変えられないことも確かにあるけど、何年何十年もかかるけど、お互いに寄り添える道を探すのも一つの手。 やさしい映画ではないでしょうか。(なお侍の腕はもげるもよう)

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